「イラストレーターとして独立したいけど、実際どれくらい稼げるの？」

「フリーランスのイラストレーターになるには、どんな準備が必要?」

そんな風に悩んでいる方も、いらっしゃるかもしれません。

イラストレーターは、絵を描くことが好きな人にとって憧れの職業です。

フリーランスのイラストレーターとして独立すれば、自分のペースで仕事ができ、自由な働き方を実現できるでしょう。

しかし、フリーランスになるには、収入の安定や仕事の獲得など、様々な課題を乗り越える必要があります。

そこで本記事では、フリーランスイラストレーターの年収相場、成功への道筋、独立前にするべき準備などを解説します。

ぜひ参考にして下さい。

フリーランスイラストレーターの年収：現実と理想

フリーランスのイラストレーターとして成功し、安定した収入を得るには、現実をしっかりと見据えなければいけません。

本記事では、フリーランスイラストレーターの年収の実態について、以下の3つに分けて解説していきます。

• フリーランスイラストレーターの平均年収
• 売れっ子イラストレーターの年収
• イラストレーターの年収ピラミッド

それぞれ、1つずつ見ていきましょう。

フリーランスイラストレーターの平均年収：知っておくべき現実

夢と希望に満ちたイラストレーターの世界ですが、現実もしっかりと知っておく必要があります。

フリーランスの場合、収入は案件の数や単価によって大きく左右されます。

上記の表を見てみると、イラストレーターが含まれている「文筆業」の一番多い平均年収は、「200万円未満」です。

続いて多いのが「200〜400万円未満」です。

この金額は思っていたよりも多いでしょうか、少ないでしょうか。

フリーランスとして働く場合は、自分自身で仕事を獲得し、納品する必要があります。

また、経理や確定申告などの税務処理も行わなくてはいけません。

イラスト作成の他にも、細かな事に時間や労力がかかることも、覚えておいてください。

売れっ子イラストレーターの年収：夢の実現に向けて

「売れっ子イラストレーター」は、フリーランスイラストレーターにとって憧れです。

高い画力と独自の表現力で多くのファンを魅了し、様々なメディアで活躍しています。

売れっ子イラストレーターの年収は、1,000万円前後になることも珍しくありません。

売れっ子イラストレーターとして成功するための主なポイントは、以下の通りです。

• 独自の画風や表現力
• 幅広いジャンルの対応力
• クライアントとの良好なコミュニケーション能力
• 積極的な営業活動
• 時代のニーズを捉えた作品制作

もちろん、「売れっ子イラストレーター」の夢を実現する道は容易ではありません。

しかし、諦めずに努力を続ければ、夢を実現できる可能性は十分にあります。

イラストレーターの年収ピラミッド：階層別の収入と特徴

イラストレーターの収入は、経験やスキル、働き方、案件の種類などによって大きく異なります。

それをピラミッド型の階層構造で表すと、以下のようになります。

階層	年収	特徴
頂点	600～1000万前後	・売れっ子イラストレーター ・独自の画風と高い知名度を持つ
中間層	200～400万前後	・中堅イラストレーター ・得意な分野を持つ
底辺	～200万前後	・若手・新人イラストレーター ・実務経験を積みながらスキルアップ

イラストレーターとして成功し、収入を上げるには、ピラミッドを登るように経験と実績を積みましょう。

スキルを磨き、自分の強みを伸ばしていくことが重要です。

フリーランスイラストレーターの収入源：多様な稼ぎ方

フリーランスイラストレーターとして成功を掴むには、多様な収入源を確保することが重要です。

突然仕事がなくなるリスクを分散し、安定した収入を確保することができます。

本記事では、フリーランスイラストレーターの多様な収入源について解説します。

主に以下の5つです。

• クライアントワーク
• ストックイラスト
• グッズ販売
• SNSでの活動
• オンラインサロン

それぞれ、1つずつ見ていきましょう。

クライアントワーク：企業からの依頼と報酬

クライアントワークとは、クライアント（企業や個人の顧客）から依頼を受けて、イラストを制作する仕事です。

主な作成依頼は、以下があげられます。

• 書籍の挿絵
• 雑誌の表紙
• Webサイトのイラスト
• 広告デザイン
• ゲームのキャラクターデザイン

クライアントの要望は多岐に渡ります。

要望を丁寧にヒアリングし、イメージを共有しながら、イラストを制作していきましょう。

報酬は、イラスト1枚あたり2,000〜3万円、表紙などは3万〜15万円、キャラデザインは1点3〜5万円ほどが目安です。

ストックイラスト：素材販売による収入

ストックイラストとは、Webサイトや印刷物などで利用できるイラスト素材のことです。

イラストレーターは、ストックイラストを販売サイトに登録し、購入者がダウンロードするごとに報酬を得ることができます。

おすすめの販売サイトを、以下にまとめました。

サイト名	特徴	料金
Adobe Stock	・高品質な作品が多い ・検索機能が使いやすい ・世界最大級のストックフォトサイト	・5クレジットパック 6490円～/6ヵ月買い切り ・素材 10点/月 またはビデオ1本 // 3,828円～/月
PIXTA	・国内最大級のストックフォトサイト ・日本人向け ・初心者でも使いやすい	・Sサイズ1枚 550円～/買い切り ・画像3点 / 月 1,980円～/月
Shutterstock	・利用者数が世界トップレベル ・集客がしやすい ・独占・専属契約なし	・2点 3,500円/年/買い切り ・10点 3,500円～/月

ストックイラストサイトに登録する際は、各サイトの利用規約をよく読み、ルールを守って利用しましょう。

複数のサイトに登録することで、より多くの作品を販売できる可能性があります。

報酬は、1枚の販売単価が定額制1ダウンロードで50円〜600円、単品素材の場合は250円〜2,000円が目安で、

月収は数十円〜数十万円まで幅広いでしょう。

グッズ販売：オリジナルグッズの制作・販売

フリーランスイラストレーターにとって、オリジナルグッズの制作・販売も魅力的な収入源の一つです。

自分のイラストをTシャツやトートバッグ、スマホケース、ステッカーなどにプリントして販売することができます。

オリジナルグッズを制作・販売できるおすすめのサービスを、以下にまとめました。

サイト名	特徴
SUZURI	・Tシャツ、トートバッグ、スマホケースなど豊富なアイテムを制作・販売できる ・デザインの自由度が高い
BASE	・ネットショップを無料で開設 ・オリジナルグッズを販売できる
pixivFACTORY	・pixivアカウントと連携で、pixivに投稿したイラストを簡単にグッズにできる ・pixivFACTORYで制作したグッズを「BOOTH」で販売できる

こちらの3つのサービスは、初期費用0円で利用が可能です。

サービスによって制作費用、販売手数料などかかる場合があります。

それぞれの利用規約を確認してみてください。

グッズ販売は、イラストレーターとしてのブランド力を高めるとともに、ファンを増やすことにも繋がります。

自分のイラストを活かして、オリジナルグッズを制作・販売してみてはいかがでしょうか。

商品単価はステッカーなら500円〜、Tシャツ・マグカップ等は800円〜5,000円以上が目安です。

SNSでの活動：ファンとの交流と収益化

フリーランスイラストレーターにとって、SNSはファンとの交流や、情報発信の場として使うだけではありません。

収益化の手段としても重要な役割を果たします。

XやInstagram、TikTokなどで作品を公開し、ファンを増やすことで、様々な方法で収益を得ることができます。

SNSで収益を得る方法は、主に以下の方法です。

方法	内容
イラスト制作依頼	作品を見た企業・個人から依頼
グッズ販売	自分のイラストを使ったグッズ販売
投げ銭	ファンから直接支援
広告収入	フォロワー数に応じて広告収入
アフィリエイト	商品・サービス紹介で報酬を得る

例えば、SNS経由で受注したアイコンイラストは1点500〜3,000円での販売が目安となります。

フォロワーが多い場合は、広告収入・案件受注などで月数万円〜数十万円も可能です。

オンラインサロン:コミュニティ運営と収益化

オンラインサロンとは、月額会員制のコミュニティのことです。

オンラインサロンでは、ファンとより深く繋がることができます。

オンラインサロンでは、以下のようなコンテンツを提供するのがおすすめです。

• イラストメイキング動画
• 添削
• オンライン講座
• オフ会
• 交流イベント

オンラインサロンに入らなければ見られない、魅力的なコンテンツを提供しましょう。

そうすることで会員を増やし、収益を拡大することができます。

ちなみに、オンラインサロンでの収入は、月額500〜2,000円×参加人数が相場です。

100人規模なら月5万〜20万円程度の売上もめずらしくありません。

フリーランスイラストレーターの年収を決める要素

フリーランスのイラストレーターは、固定給がないため年収は案件内容や働き方によって大きく変化します。

ここでは、年収を決める主な要素となる案件単価・受注件数・依頼主の規模・継続案件の有無について紹介します。

案件単価（1点あたりの価格）

イラスト1点あたりの単価は、年収を左右する大きな要素です。

SNSアイコンや同人誌表紙、企業広告などの用途によって相場が異なり、個人向けは数千円〜、企業案件は数万円以上になることもめずらしくありません。

これまでの実績や、作風のオリジナリティが評価されるほど単価交渉がしやすいため、自身のポートフォリオを整備しておきましょう。

受注件数（作業スピードと稼働時間）

どれだけ受注件数をこなせるのかも、年収を大きく左右します。

作業スピードが速く、効率的な工程管理ができるほど受注数を増やますが、無理なスケジュールは品質低下や体調不良の原因にもなりかねないため注意が必要です。

効率化ツールの活用や作業のテンプレート化などの工夫を凝らし、時間単価を上げながら制作ペースを維持しましょう。

依頼主の規模（個人・企業・大手）

依頼主の規模によって報酬水準が大きく変わります。

個人からの依頼は単価が低めになりやすい一方、企業案件は高単価なケースが多いでしょう。

なかでも広告代理店や大手のゲーム会社などとの取引は、安定した収入源になる傾向があります。

信頼と実績を積み重ね、企業から継続的に声がかかるようになると、安定した年収を実現可能です。

継続案件の有無

単発の仕事ばかりではなく、継続案件があるかどうかも収入の安定性に直結します。

定期的に発注してくれるクライアントを複数持つことで、毎月の売上が安定し、長期的なスケジュールも立てやすくなります。

継続案件を得るには、クライアントとの信頼関係を築き、納期・品質を守ることが重要です。

年収アップのために必要なスキルと戦略

フリーランスイラストレーターとして年収を上げるには、絵のスキルだけではなく、営業力・マーケティング・ビジネススキルなども求められます。

ここでは年収アップに直結する5つのスキルと戦略を紹介します。

• ポートフォリオ制作
• 営業・自己PR
• マーケティング
• 価格設定と交渉術
• ブランディング

ポートフォリオ制作：自分の強みを見せる

ポートフォリオは、イラストレーターにとって自分自身を紹介する「営業資料」です。

得意なジャンル、使用ツール、制作時間の目安、これまでの実績などを明確に記載し、クライアントが依頼しやすいように工夫しましょう。

Webサイト、PDF、SNS固定投稿など、複数の形式で用意しておくと便利です。

営業・自己PR：仕事を取る力

営業活動や自己PRは、フリーランスとして非常に重要なスキルです。

ただ待っているだけでは仕事は来ません。

ポートフォリオを添えて企業や制作会社に連絡したり、SNSでの発信を活発にしたり、自分の活動を知ってもらう工夫が必要です。

丁寧な対応、相手の立場に立った提案が信頼を呼び、継続案件につながることもあります。

マーケティング：ターゲットを見極める

どんな相手に、どんなイラストを提供するのかという「ターゲティング」は非常に重要です。

自分の強みを生かせる市場・ジャンル（例：ゲーム、書籍、広告、VTuber等）を明確にし、そこに向けて発信・営業していくことで、無理なく成果を出しやすくなります。

また、SNSやポートフォリオの内容も、ターゲットに合った内容にすることが重要です。